【転職前に読みたい】言語聴覚士の療養病棟での苦労4選

言語聴覚士向け

今回は自分が以前働いていた療養病棟や周りの言語聴覚士から聞いた苦労をお伝えします。

STとして療養病棟に働くのってどう?と思った方は読んでみて下さい!

ご存じだと思いますが、療養病棟とは一般的に維持期のリハビリを行う病棟です。

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デメリット1:給料が低い

他の科と比べて療養病棟は給料が低いです。

なぜなら、療養病棟での売り上げが低い為、人件費を抑えられています。

療養病棟は各疾患の算定が切れた患者さんが多く、「廃用症候群リハ」で算定をとるか、下記のリハビリの算定日数を過ぎると月に13単位しか算定できなくなってしまいます。

下の図は20分のリハビリを1単位とし、算定できる医療点数です。

このように、各疾患の算定期間内のみと介入を想定されている急性期や回復期病棟よりはリハビリによる病院の収入は低くなってしまいます。

生活期・維持期を担当する維持期病棟は収入が低いため、収入も低くなってしまう。

デメリット2:リハビリがパターン化

とある療養病棟では、堂々と言語聴覚士のトップの人(めちゃくちゃ大先輩)が「うちでは、口腔ケアしかしないから」とおっしゃっていました。

とある病院のSTトップ
とある病院のSTトップ

うちの病院では口腔ケアしかしないから

トメトメ
トメトメ

え…

嚥下の間接訓練もしないんですかにゃ?

とある病院の<br>STのトップ
とある病院の
STのトップ

しないのよ~

(私が勤めていた病院ではありません。)

この言葉を聞いて言語聴覚士のみなさんはどう思いますか?

これはこれで、「口腔ケアを極めたい!」と思う方には絶好の転職先かもしれません。

しかし、そう思わない方が、「なんとなく仕事楽そう」という理由だけで転職するのは、

「自分はSTとして、そういう働き方でもいいのか」という点を考えてから転職する方がいいと思います。

トメトメ
トメトメ

STとしての在り方、って

転職する上で結構大事にゃ

その方針でも「全然かまわないよっ!」という方はデメリットではないですね。

そのためには見学の際にどんな患者さんを診ているのか、どんな訓練を普段行っているのか、を確認しましょう。

もちろん、療養病棟でも患者さんのためにできることはたくさんあります。

医療費削減につとめることも、PT・OTと連携をとって介護度を下げるよう訓練することもできます。

ST
ST

いいや!トメさん、僕はこの病院がいいんだけど

僕のやり方を通すし、この病院のやり方を変えたいんだ!

トメトメ
トメトメ

それはそれでいいと思うにゃ!

大変だと思うけど、がんばってにゃ!

  • 見学の際に、どういう方針(どんな患者にどんな訓練を実施していく方針)の療養病院なのかを確かめる。
  • 自分に合っていれば転職しましょう。

デメリット3:維持期のリハビリはやりがいがない?~訓練効果は?

前述の「リハビリがパターン化」と関連しています。

療養病棟ではやりがいがないと感じるSTに多い意見は

「リハビリ頑張っても効果が少ないからやりがいがない

という意見を度々耳にすることがあります。

発症から、急性期→回復期→維持期と定義しています。

療養患者さんは機能が大きく改善するのは回復期といわれています。

療養病棟に入院している患者さんは維持期にあたる患者さんが中心に入院しています。

回復期を経ると、リハビリ効果は緩やかになっているため、人によってはやりがいがない、と感じる人もいるようです。

「先進的な病院の同期は先進的な検査を行ったり、器具の話をしていて、違いにがっくりくる。」

「先進的な病院の足元につくまでに努力が必要だから一生追いつかない。転職した方が早い。」

しかし、私は療養でもやりがいはあると思います。

なぜなら理由は

自然治癒が少ない分、自分の介入【訓練効果】が確かめられるからです。

維持期のリハビリは決して無駄ではないです。

ましてや、STは嚥下機能を維持改善したり、食事を工夫することによって、

人生の後半の大事な食事を安全に食べることができます。

それはめちゃくちゃ大事なことだと思います。

デメリット4:スタッフも年配の古株が多く、新しい業務をしたがらない

このデメリットは病院によります。

トメトメ
トメトメ

これはすべての病院があてはまる訳ではないにゃ!!

しかし、昔、老人ホームは多くなく、老人病院と呼ばれる病院が多く存在していました。

そして、老人病院は「維持期病棟がある病院」へと変化していきました。

スタッフも昔からいるが多いことが多いです。

トメトメ
トメトメ

古株スタッフが悪い訳ではにゃいんだけど…

まれに病棟の仕事が完全にルーティーン化しており、古株スタッフが新たな業務をひたすら拒否する病棟があります。

そういう病院で働いている言語聴覚士に話を聞くと、

  • 年配のスタッフが嚥下訓練について理解してくれない、しようともしてくれない
  • NST(栄養サポートチーム)などの設立をしたいけどめんどくさがって進まない

患者さんに対しての医療もルーティーンになっていると、スタッフも新しい医療・リハビリ技術を取り入れることに反対する年配のスタッフが多い病院もあります。

すると新しい若いスタッフとしてはやる気を持って、患者さんに新しい技術を取り入れようとしても、さんざん反対され、

そのため、かなりの熱量を必要とします。

療養病棟に働くSTに意見を聞くと、

「長いものに巻かれてしまい、頑張れないことが多く、もうやる気が無くなってしまった。」

との回答が得られました。

確かに長年引き継いできた伝統?があると、ルーティーン化しており、それを打ち砕くことは大変です。

NST設立やVF実施などで苦労しているSTがいるのは事実です。

まとめ

確かに回復期などと比べると訓練効果が少ないことは事実でしょうが、

研究も少なく、ライフワークバランスに長けていることが多いので、

見学してみてから考えましょう!

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